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交通事故 特集(脳脊髄液減少症)

防ぎようがない追突事故の上に、長引く症状が理解されず、詐病(偽りの症状主張)と言われたら、こんなに腹立つことはないでしょう。

交通事故の発生

平成16年夏、交通事故で、顔面打撲・裂傷、頚椎捻挫で救急車で運ばれるという事故が県西で発生しました。
被害者は、15歳の高校生A子さんでした。県西の中核病院に運ばれ、約20日間入院しましたが、傷病名は頚椎捻挫、腰椎捻挫でした。
しかし、症状はやや軽くなったものの、頚部痛、腰痛は軽快しませんでした、外科医院、接骨院を転々としましたが、次第に頚椎を根源とする症状の他に、頭痛、背中の立ちくらみ、食欲不振、倦怠感、睡眠障害、気分の悪さ等が現出し、継続しました。

立ちはだかる第1の壁(医学的認定の壁)

A子さんの症状に疑問を投げ掛けたのは、他覚症状のない頚椎捻挫は6か月で軽快するか、症状固定となるとの交通医学界の常識の壁でした。6か月を過ぎ、2年を過ぎても症状は軽快せず、特に低気圧の通過する時期は起きられないほどでした。

幾多の医療機関をめぐって、事故から3年経った平成19年、脳脊髄液減少症と診断されました。あまり聞き慣れないこの傷病名は、平成28年4月になって健康保険適用となっていますが、それまでは、多くの外科医はそれを否定する立場でした。

A子さんは、事故後3年経って傷病名を確認したものの、治療はごく限られた病院でのブラッドパッチ術しかなく、長距離通院を強いられました。

脳脊髄液減少症は、交通事故や運動時の転倒等による頭部打撃等により発症するもので、その医学的メカニズムは、頭部や脊椎への外力が加わったことで、脊髄液が漏出し、脳は頭蓋内の髄液で浮いている状態ですから、髄液の減少で脳の一部が低下し、硬膜にぶつかり、損傷や影響を受けることで発症し、髄液が漏出し続けると症状が治まりません。

そして、交通事故から当事務所に来るまで通算4年の歳月が経ちました。

推測するに、事故直後は頚椎等の症状が強いため、背後に追いやられた減少症の症状が次第に表面化したので、髄液の漏出を原因とするものと医師に認識されなかったと思われます。

立ちはだかる第2の壁(法律的認定の壁)

4年後の法的主張は、減少症の症状を1日単位で克明に記録することから始まりました。A子さんは、この指示をよく守りました。
訴訟になる前から身体症状一覧表を作り、13項目にわたって最も苦しい症状を5とし、苦痛をわずかに感じる1から順次症状を数字で記録するのです。その数字の記入を指示されてから、裁判中も決して欠かさないという地道な作業を続けることで詐病の疑いを吹き払い、症状を数年単位で立証したこと、過不足ない賠償責任を求める姿勢が裁判官を動かし、最初の診断名の頚椎捻挫では納まらない減少症の存在を考慮した和解を勝ち取りました。

終わりに

交通事故であれば、どんな症状や立証の困難も、被害者と弁護士が決して諦めずに協力協同で乗り越えることができる事例なので参考になると思います。

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